埼玉県・一般建設業の資格と技術者

塗装の技能士で
建設業許可を取れる?
かんたん診断

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外壁や屋根を塗り替えています。塗装の技能士で許可を取れる?

想定されるご相談

住宅の外壁や屋根の塗替えを請け負っています。元請から建設業許可を取るように言われました。自分の技能士の資格を使えるのでしょうか。合格証書に書いてある職種や、1級・2級で条件が違うのかも知りたいです。

塗装工事業に使える資格です。2級では、合格後の塗装工事の実務経験も確認します。

一般建設業では、塗装の1級技能士は、塗装工事業の技術者資格に対応します。2級は合格後3年以上、平成15年度以前の2級合格者は合格後1年以上の実務経験が必要です。

古い合格証書にある「建築塗装」「金属塗装」「木工塗装」等の旧職種も、塗装工事業の技術者資格に対応します。技能検定の正式な職種と級、合格年度から確認します。

ただし、外壁や鉄部を塗る工事と、屋上の塗膜防水や目地のシーリング工事では、許可の業種が異なります。塗装の技能士資格だけで、防水工事業の技術者資格まで満たすわけではありません。この記事は、埼玉県で一般建設業の許可を検討する、小さな会社・個人事業主向けの説明です。

根拠:県の令和8年手引き26頁・資格コード88〜91と技能検定の注記。工事の区分は同表1・塗装工事と防水工事。

塗装の技能士資格を使う前の3つの確認ポイント

  • 合格証書の職種・作業名と級現在の「塗装」と、建築塗装・金属塗装などの旧名称を確認します。技能士カードだけでの資格確認はできません。
  • 2級の合格年度と、その後の工事経験必要なのは合格後の塗装工事の実務経験です。合格から経過した年数や、会社の勤続年数だけでは判断できません。
  • これから請け負うのが、塗装か防水か外壁塗装、屋上防水、シーリングなど、契約する工事の内容を確認します。

塗装の技能士と経験年数をかんたん診断

塗装・建築塗装などの1級・2級に合格し、一般の塗装工事業の許可を取りたい方の診断です。級と合格年度から、必要な経験年数と資料を確認します。防水工事の許可については、本文の塗装と防水の比較をご覧ください。

フローチャート:塗装の技能士で、許可を取れる?

6とおりの結論を、まとめて見る
  • 合格した技能検定は、1級ですか、2級ですか? 1級です技能検定の合格証書は、手元にありますか? 合格証書があります

    1級の合格者には、合格後の実務経験年数の条件はありません

    • 合格証書で職種と級を確認します。現在の営業所での専任・常勤と、経営経験・財産等の要件も必要です。
  • 合格した技能検定は、1級ですか、2級ですか? 1級です技能検定の合格証書は、手元にありますか? 見つかりません

    1級の合格証書がない場合は、再交付等を相談します

    • 技能士手帳・技能士カードは、資格確認の書類として使えません。合格証書の交付元への再交付の相談と、県への提出資料の確認が必要です。
  • 合格した技能検定は、1級ですか、2級ですか? 2級です2級に合格したのは、平成15年度以前ですか? 平成15年度以前です2級合格後に、塗装工事の実務経験が1年以上ありますか? 1年以上あります

    平成15年度以前の2級合格者は、合格後1年以上の経験が必要です

    • 塗装工事の仕事内容と期間を証明できるか確認します。合格証書に加え、実務経験証明書と裏付け資料の確認が必要です。
  • 合格した技能検定は、1級ですか、2級ですか? 2級です2級に合格したのは、平成15年度以前ですか? 平成15年度以前です2級合格後に、塗装工事の実務経験が1年以上ありますか? まだ1年ありません

    この2級の資格と経験では、まだ1年の条件を満たしません

    • 合格前の経験を、合格後1年の期間に含めることはできません。ほかの資格や実務経験による要件で申請できるか検討します。社内のほかの人が技術者になれる場合もあります。
  • 合格した技能検定は、1級ですか、2級ですか? 2級です2級に合格したのは、平成15年度以前ですか? 平成16年度以降です2級合格後に、塗装工事の実務経験が3年以上ありますか? 3年以上あります

    平成16年度以降の2級合格者は、合格後3年以上の経験が必要です

    • 合格年度と、その後の塗装工事の経験を確認します。3年の経過だけでなく、実際の仕事内容と期間を証明できることが必要です。
  • 合格した技能検定は、1級ですか、2級ですか? 2級です2級に合格したのは、平成15年度以前ですか? 平成16年度以降です2級合格後に、塗装工事の実務経験が3年以上ありますか? まだ3年ありません

    この2級の資格と経験では、まだ3年の条件を満たしません

    • 合格前の経験を、合格後3年の期間に含めることはできません。ほかの資格や別の経験要件で申請できるか検討します。社内のほかの人が技術者になれる場合もあります。

県の令和8年手引き26頁・コード88〜91に基づく、一般建設業の塗装工事業の技術者資格の診断です。防水工事業の資格判定や、会社全体の許可取得を確定するものではありません。現在の専任・常勤等も確認します。

合格証書のどの職種・作業名を見ればよい?

現在の技能検定では、「塗装」という職種の中に、建築塗装作業・金属塗装作業などの作業区分があります。普段「建築塗装技能士」と呼んでいても、証書では職種と作業名が別に記載されていることがあります。

塗装工事業に使う技能検定の職種名
合格証書の職種名確認する内容
塗装現在の作業区分は、木工塗装・建築塗装・金属塗装・鋼橋塗装・噴霧塗装の各作業。県の資格表では「塗装」がコード88に掲載
木工塗装・木工塗装工旧職種名。県のコード88に掲載
建築塗装・建築塗装工旧職種名。県のコード89に掲載
金属塗装・金属塗装工旧職種名。県のコード90に掲載
噴霧塗装旧職種名。県のコード91に掲載

これらは、一般建設業の塗装工事業に対応します。県の資格表には、職種「塗装」を建築塗装作業だけに限るという記載はありません。ただし、2級の合格者には、作業区分にかかわらず、合格後に塗装工事の実務経験が必要です。

技能検定の「路面標示施工」も、県のコード67に別の職種として掲載されています。本記事の1級・2級の診断は、上表の塗装と旧職種を対象にしています。塗料調色など、名前に塗装関係の言葉があっても、上表の技能検定と同じものとは扱いません。

資格対応:県手引き26頁、旧職種名:厚生労働省・建設業法における専任の者に該当する技能検定職種。現在の作業名:同省・技能検定職種及び試験基準。

1級・2級と合格年度で、必要な経験はどう違う?

1級の合格者には、合格後の実務経験年数の条件はありません。2級は、合格年度によって、合格後に必要な塗装工事の実務経験が1年以上または3年以上です。

塗装の技能士資格と、合格後に必要な実務経験
級・合格年度一般の塗装工事業での経験条件
1級この資格を使う場合、合格後の経験年数の条件はない
2級・平成15年度以前合格後、塗装工事に関する実務経験が1年以上必要
2級・平成16年度以降合格後、塗装工事に関する実務経験が3年以上必要
3級この1級・2級の技能士資格による要件では対応しない。別の資格や経験による要件を検討

平成15年度は2003年度、平成16年度は2004年度です。「平成15年12月まで」のような暦年で区切らず、合格した年度を確認します。合格証書の交付日と合格年度を取り違えないようにしてください。

1級でも、資格を持っているだけで会社が許可を取れるわけではありません。現在の営業所での専任・常勤、経営経験、財産等の要件は別に必要です。

根拠:県手引き26頁・技能検定共通の注記。会社全体の条件は同14頁以降。

塗装会社で働いた年数が、そのまま実務経験になる?

2級で確認するのは、合格後に塗装工事の技術上の仕事をした期間です。会社に在籍した期間と、塗装工事に従事した期間が一致するとは限りません。

県の記載要領では、施工を指揮・監督した経験や実際の施工等が実務経験に含まれます。工事現場の単なる雑務や、事務の仕事だけをしていた期間とは区別します。

また、製造工程で製品を塗る仕事など、建設工事ではない仕事まで、一律に塗装工事の経験として数えることはできません。外壁や鉄部の塗替え等を担当した工事について、仕事内容と期間を確認します。

合格前の経験は、この「合格後1年・3年」には含められません。一方、合格後に前の勤務先で塗装工事をしていた場合は、そこでの経験を証明できるか確認します。以前の勤務先による証明と、当時担当した工事の裏付けが必要です。

合格後の年数が足りない場合は、ほかの資格や、学歴・実務経験による別の要件を検討します。社内のほかの人が技術者の要件を満たす場合もあります。詳しくは、資格がない場合の実務経験による技術者要件をご覧ください。

経験の定義:県手引き96頁・実務経験証明書(第9号)の記載要領。合格後の条件:同26頁。前職の確認資料:同52〜54頁。

外壁の塗装と屋上防水は、同じ許可でよい?

塗装工事業と防水工事業は、別の許可業種です。塗る材料を使うからといって、すべて塗装工事になるわけではありません。

塗装と防水の工事内容の比較例
請け負う仕事業種を確認する際の考え方
外壁や鉄部の塗替え塗装工事を検討。通常の下地調整・ブラストは、塗装の準備作業として含まれる
屋根の塗替え屋根を塗る工事と、屋根材をふき替える工事を区別。工事場所が屋根であることだけで「屋根工事業」とは決めない
屋上の塗膜防水防水工事の区分。塗装の技能士資格だけで、防水工事業の技術者要件を満たすわけではない
目地のシーリングシーリング工事は防水工事の例示に含まれる。塗替えに伴う補修の場合は、主な工事との関係も確認

外壁の塗替えとシーリングを一緒に請け負う場合は、工事の内容・規模と、主な工事に附帯するものかを確認します。「防水が少しでもあれば必ず別の許可」「一緒の契約ならすべて塗装」とは一律に判断できません。附帯工事を請け負える場合でも、実際に施工する技術者や下請業者の要件を確認します。

これから取る業種の整理は、建設業許可はどの業種で取るかで説明しています。工事の金額による許可の要否は、小さな工事でも建設業許可が必要かをご覧ください。

根拠:県手引き1頁・業種別の許可と附帯工事、表1・屋根/塗装/防水工事。技術者資格は同26頁の塗装と防水の各欄。

資格と塗装工事の経験は、どんな資料で確認する?

資格の確認には、技能検定の合格証書を使います。県の資格表では、技能士手帳と技能士カードは不可とされています。証書が見つからない場合は、交付元への再交付の相談と、県への提出資料の確認が必要です。

塗装の技能士資格と実務経験の確認資料
何を確認するか資料と確認の内容
職種・作業名・級・合格年度技能検定の合格証書。営業所技術者等証明書(第8号)に添える資格資料を確認
2級合格後の経験実務経験証明書(第9号)と、塗装工事の仕事内容・期間を裏付ける資料
工事内容と入金契約書・注文書・請求書等の工事内容と、それに対応する通帳の入金記録等を確認
前の勤務先での在籍・当時の許可当時の勤務を確認できる資料、勤務先の許可通知書等。証明の方法に応じて必要資料を確認

請求書に「改修工事一式」としか書いていない場合は、見積書や内訳とあわせて、外壁塗装なのか、防水やほかの工事なのかを確認します。単に「塗料を購入した」という記録だけでは、塗装工事の施工内容や期間を証明できるとは限りません。

当時、塗装工事業の許可を受けていた勤務先に経験を証明してもらう場合は、許可通知書等で許可状況を確認できれば、工事の契約書・入金資料等の提示を省略できます。ただし、当時の許可を示す資料がなければ、契約書や入金記録等も提示します。県に提出した決算変更届で工事実績を確認できない場合にも、県から契約書等を追加で求められることがあります。

根拠:県手引き26頁・合格証書、同38〜39頁・第8号、第9号、同52〜54頁・経験と勤務の確認資料。

塗装の技能士がいれば、ほかの条件は不要?

技能士資格で確認できるのは、技術者の資格要件です。その人が現在の営業所で専任・常勤として勤務できることに加え、会社や個人事業主として経営経験・財産・適切な社会保険加入等の要件も必要です。

社外の知人が資格を持っているからといって、名義だけを借りることはできません。現在どこの会社・営業所に勤務しているか、他社の仕事や別の営業所の技術者を兼ねていないかを確認します。新規許可全体の条件は、元請から建設業許可を求められたときの確認で説明しています。

塗装工事業の技術者資格には、技能士のほかに、1級建築施工管理技士や、2級建築施工管理技士の仕上げ種別等による方法もあります。技能士と施工管理技士は別の資格なので、証書の正式名称を確認します。

根拠:県手引き14頁以降・許可要件、17頁・専任と常勤、24〜26頁・資格表。

自分の塗装資格を使えるか、どう相談する?

司法書士・行政書士の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

「塗装の技能士を持っていて、これから許可を取りたい」という段階でご相談ください。職種や合格年度がはっきりしなくても構いません。普段請け負っている仕事と、これまでのご経験を伺い、資格を使う条件や必要な資料を一緒に確認します。防水も含む仕事であれば、契約する工事の内容から検討します。

塗装の建設業許可について、相談できることは?

  • 技能検定の職種・級・合格年度に応じた要件を確認する
  • 前の勤務先での塗装経験や、証明方法を確認する
  • 塗装・防水の仕事内容と、申請する業種を確認する

資格の正式名称や、申請する業種を決める前でもご相談いただけます。合格証書や工事の記録が見つからない場合も、状況を伺って確認方法をご案内します。

塗装の資格を使う建設業許可について相談する新規許可全体の条件は、建設業許可の判定チャットでも確認できます。

関連するQ&A

2級に合格して3年たてば、許可を取れる?

平成16年度以降の2級では、合格後に塗装工事に関する実務経験が3年以上必要です。3年の経過だけでなく、仕事内容と期間を証明できるか確認します。会社全体の許可要件も別に必要です。

古い「金属塗装工」の合格証書でも使える?

金属塗装工は、県の資格コード90に掲載された旧職種名です。古い名称という理由だけで対象外にはなりません。級、合格年度と、必要な実務経験を確認します。

塗装技能士なら、防水の技術者にもなれる?

塗装の技能士資格だけでは、防水工事業の技術者資格には対応しません。屋上の塗膜防水等を請け負う場合は、防水に使える資格・経験や施工体制を確認します。

合格証書がなく、技能士カードだけある場合は?

県の資格表では、技能士手帳・技能士カードは不可とされています。合格証書の交付元への再交付の相談と、県への提出資料の確認が必要です。