埼玉県の建設業許可・小さな工事の受注

小さな工事ばかりですが、
建設業許可は必要ですか?

最終更新:

数十万円から数百万円の工事なら、許可はいりませんか?

想定されるご相談

埼玉県で内装や塗装の工事をしています。大きな工事はなく、請求額はいつも500万円未満です。材料を元請からもらうことや、同じ現場で追加の注文を受けることもあります。このまま許可なしで仕事を続けてよいのでしょうか。

工事の種類と、材料も含めた1件の金額を確認します

法律上の「軽微な建設工事」だけを請け負う場合は、建設業許可は必要ありません。内装・塗装など建築一式以外の工事では、1件の請負代金が税込500万円未満であることが基準です。500万円ちょうどは含まれません。支給材料の価格や、一つの工事を分けた契約の額も含めるので、請求書の金額だけでは判断できません。建築一式工事には別の基準があります。

最初に確認する3つのこと

  • 請け負う工事は何か内装・塗装・解体などの専門工事か、建築一式工事か。見積書の「一式」という表記だけでは決まりません。
  • 税込額と、支給材料の価格工事の契約額に、注文者からもらう材料の市場価格や必要な運送費を加えて確認します。
  • 同じ工事の追加・分割契約がないか契約書・注文書・変更書面を確認します。請求書1枚ずつの金額で判断しません。

その工事に建設業許可は必要?フローチャートで確認

いま受けようとしている工事を1つ思い浮かべて、答えてください。契約書か注文書、見積書があると答えやすくなります。

その工事に、建設業許可は必要?のフローチャート。「その工事は、建築一式工事ですか?」から順に答えると、許可は不要(軽微な建設工事)/その業種の許可が必要/金額にかかわらず許可は不要/許可は不要(1,500万円未満)/建築一式工事の許可が必要のどれに当たるかが分かる。

あてはまるものを選んでください

5とおりの結論を、まとめて見る
  • その工事は、建築一式工事ですか? いいえ(内装・塗装・解体など)支給される材料の価格と、同じ工事を分けた契約の額も足して、税込500万円未満ですか? 500万円未満

    軽微な建設工事なので、建設業許可は必要ありません

    • 500万円ちょうどは「未満」に含まれません。
    • 追加工事で総額が500万円以上になるときは、追加の契約を結ぶ前に確認してください。
    • 解体工事や電気工事は、建設業許可が不要でも、登録や届出が必要な場合があります。
  • その工事は、建築一式工事ですか? いいえ(内装・塗装・解体など)支給される材料の価格と、同じ工事を分けた契約の額も足して、税込500万円未満ですか? 500万円以上

    その工事の業種の建設業許可が必要です

    • 許可を受けてから契約する必要があります。
    • 材料代を請求しなくても、支給された材料の価格は足して計算します。
  • その工事は、建築一式工事ですか? はい延べ面積150㎡未満の木造住宅の工事ですか? いいえ支給される材料の価格も足して、税込1,500万円未満ですか? 1,500万円未満

    建築一式工事で税込1,500万円未満なので、建設業許可は必要ありません

    • 1,500万円ちょうどは「未満」に含まれません。
    • 一つの工事を分けて契約しているときは、合計額で確認してください。
  • その工事は、建築一式工事ですか? はい延べ面積150㎡未満の木造住宅の工事ですか? いいえ支給される材料の価格も足して、税込1,500万円未満ですか? 1,500万円以上

    建築一式工事の建設業許可が必要です

    • 許可を受けてから契約する必要があります。
  • その工事は、建築一式工事ですか? はい延べ面積150㎡未満の木造住宅の工事ですか? はい

    請負代金にかかわらず、建設業許可は必要ありません

    • 主要構造部分が木造で、延べ面積の2分の1以上を居住に使う住宅が対象です。

いくらまでなら、建設業許可がなくても請け負えますか?

軽微な建設工事の基準は、工事の種類で異なります。「未満」は、その金額ちょうどを含みません。消費税・地方消費税、支給材料の価格を含め、一つの工事の契約を分けている場合は合計額で判定します。

建設業許可が不要になる「軽微な建設工事」の基準
工事の種類軽微な建設工事に該当する条件
建築一式以外
内装・塗装・電気・管・解体・土木一式など
1件の請負代金が税込500万円未満。
建築一式次のどちらかに該当する工事。
①1件の請負代金が税込1,500万円未満。
②請負代金にかかわらず、延べ面積150㎡未満の木造住宅。主要構造部分が木造で、延べ面積の2分の1以上を居住に使うもの。

年間売上ではなく、1件の工事について確認します。元請でも下請でも、個人でも法人でも同じ基準が適用されます。根拠は埼玉県の令和8年手引き1ページと、国土交通省の「建設業の許可とは」です。

このページでは、主に内装・塗装など、建築一式以外の工事の500万円基準を説明します。

見積書に「工事一式」とあれば、1,500万円の基準ですか?

「内装工事一式」「塗装工事一式」と書いても、建築一式工事になるわけではありません。建築一式は、総合的な企画・指導・調整のもとに建築物を建設する工事です。建物の内装だけ、塗装だけを請け負う場合とは区別します。

複数の作業があるときは、契約の対象、主な工事、関連する作業を確認します。業種の判断が難しい場合には、見積内訳・図面など、工事内容が分かる資料を用意して、埼玉県の建設管理課に確認してください。工事名だけで決めない考え方は、内装や解体などが混ざる工事の業種分けでも説明しています。

税抜で500万円未満なら、大丈夫ですか?

税込の請負代金で確認します。たとえば税抜460万円、消費税等46万円の契約なら、税込506万円です。建築一式以外の工事では、軽微な建設工事に該当しません。

説明用の架空例:税率10%の契約
税抜の契約額消費税等判断に使う税込額
460万円46万円506万円

契約書や見積書で、総額が税込か税抜か、消費税等が別記されているかを確認してください。

元請から材料をもらう場合も、金額に含めますか?

支給材料の価格も加えます。自分が材料代を請求しない「手間請け」でも、材料を除いた施工代だけで500万円未満かどうかを判断しません。注文者から材料を支給される場合は、その市場価格、または市場価格と運送賃を請負代金に加算します。

架空例。施工代440万円に支給材料60万円と別途運送費10万円を加えると税込510万円となり、建築一式以外では許可が必要。
全て税込の架空例です。材料価格に運送費が含まれていない設定です。自分の請求額が440万円でも、判断に使う額は510万円になります。

この例では、建築一式以外の工事を請け負うために、対応する業種の許可が必要です。材料の品目・数量・価格・運送費が分かる資料を、元請などの注文者から取り寄せて確認してください。自分が材料代を請求していなくても、その材料の価格を判定額から除くことはできません。

根拠は建設業法施行令第1条の2第3項です。材料支給による無許可下請への発注については、国土交通省中国地方整備局のQ&A(Q1-3)にも説明があります。

契約を二つに分ければ、500万円未満になりますか?

一つの工事を二つ以上の契約に分けた場合は、原則として合計額で確認します。同じ工事を税込300万円と税込250万円の契約に分けても、判断する額は550万円です。これは説明用の架空例で、建築一式以外を想定しています。

建設業法施行令第1条の2第2項には、正当な理由に基づいて契約を分けた場合の例外があります。ただし、契約書が別になっていることや、工事名を変えたことだけで、例外に該当するとは判断できません。

同じ現場の工事が別の独立した工事なのか、一つの工事を分けたものなのかは、契約の対象・施工内容・発注時期・分けた理由などから判断します。判断が難しければ、契約書・注文書・見積内訳を用意して、合計額で判定する必要があるかを埼玉県の建設管理課に確認してください。

なお、一つの契約について着手金・中間金・残金を分けて請求しても、工事が三件になるわけではありません。請求を分けることと契約を分けることの違いは、分割請求と工事のまとめ方も参考になります。

途中で追加工事を頼まれたときは、どうしますか?

当初は500万円未満でも、同じ工事に変更や追加があり、税込の総額が500万円以上になる場合があります。追加の契約を結ぶ前に、元の契約と変更内容、支給材料も含めた額を確認してください。

関東地方整備局の注意喚起では、当初の下請契約は500万円未満だったものの、増額変更で500万円以上になった違反事例を挙げています。

500万円未満なら、ほかの登録もいりませんか?

建設業許可が不要でも、工事によって事業者の登録・届出や、施工する人の資格が必要になる場合があります。

  • 解体工事:埼玉県で解体工事業を営む場合は、500万円未満でも原則として県への解体工事業の登録が必要です。ただし、土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれかの建設業許可がある場合は登録不要です。詳しくは県の解体工事業登録申請の手引きをご確認ください。
  • 電気工事:対象の電気工作物や建設業許可の有無により、電気工事業法上の登録・届出等が異なります。施工する人の資格も別に確認します。詳しくは県の電気工事業の登録・届出案内をご確認ください。

許可が必要か調べるとき、どの資料を見ればよいですか?

  • 契約書・注文書と見積内訳請け負う範囲、施工内容、税込総額を確認します。図面や仕様書も工事の種類を判断する資料になります。
  • 支給材料の資料注文者に品目・数量・市場価格・運送費を確認します。契約額に含まれる材料と、注文者から別に支給される材料を区別します。
  • 追加注文・変更・別契約の書面当初の契約と一緒に確認します。請求書・入金記録だけで、工事の範囲や総額を決めないようにします。

これから500万円以上の専門工事を受けたい場合は、その業種の許可を受けてから契約する必要があります。申請に向けた準備は、元請から許可を取るように言われたときの始め方で説明しています。

500万円に近い工事では、何を確認しますか?

司法書士・行政書士の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

見積書の金額だけでなく、注文書と材料の支給条件も確認してください。「材料は元請持ち」「追加分は別の注文書」という場合でも、その分を除いて判断できるとは限りません。当初分と追加分の資料を用意して、契約を結ぶ前に工事の範囲と総額を確認してください。

埼玉県で新規許可を検討する方へ

工事内容と契約額を確認し、申請準備について相談できます

  • 工事内容から、検討する許可業種を確認する
  • 支給材料の価格や追加契約を確認し、合計額で判断すべき契約について相談する
  • 経営経験・技術者・財産など、申請の要件と必要資料を確認する

許可の取得を検討している方は、判定チャットで工事内容・経験・資格などを確認できます。工事の分類や契約分割の適否は、チャットだけでは判断できません。

建設業許可の判定チャットを使う現在の工事で許可が必要か確認したい方は、お問い合わせから工事内容・請負代金の税込額・支給材料の有無をお知らせください。

関連するQ&A

税込500万円ちょうどの内装工事も、許可なしで受けられますか?

受けられません。建築一式以外の軽微な建設工事は税込500万円「未満」です。500万円ちょうどの内装工事を請け負うには、内装仕上工事業の許可が必要です。

年間売上が500万円を超えると、許可が必要ですか?

年間売上だけでは決まりません。1件の工事の種類と、税込の請負代金を確認します。支給材料や同じ工事の分割契約を含めて、軽微な建設工事に当たるか判断します。

材料代を請求しない場合も、材料の価格を加えますか?

注文者から支給された材料は、請求しなくても市場価格等を加えます。手間代だけが500万円未満でも、軽微な建設工事とは限りません。

小さな工事しかなくても、元請から許可を求められました

法律上は許可不要の工事でも、元請が取引条件として許可を求める場合があります。法律上の要否と取引条件を分けて、必要な業種や取得を求める時期を確認してください。要件を満たせば、軽微な工事を扱う事業者も許可を申請できます。

従業員がいない一人親方なら、500万円以上でも許可不要ですか?

人数による例外はありません。工事の種類と請負代金で判断します。申請するときの兼任や保険の確認は、従業員がいない一人親方・一人会社の許可申請をご覧ください。