埼玉県の建設業許可・工事経歴書
内装と解体が混ざる工事。
どの業種に書きますか?
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内装と撤去が一緒の見積書です。金額を分けて2業種に書きますか?
店舗の改装を1件の契約で請け負いました。見積書には「既存部分の撤去」と「内装仕上げ」が別の行にあります。埼玉県へ出す決算変更届の工事経歴書では、内装仕上工事と解体工事に分けるのでしょうか。
見積書の行だけでは分けません。契約と工事の目的から確認します
まず1件の請負契約か、別々の契約かを確認します。埼玉県の手引きは、1件の請負契約を分割して複数の建設工事として計上できないとしています。1件なら、契約で約束した主な工事は何か、撤去などがその工事に必要な附帯工事かを、工事内容から検討します。「内装解体」という工事名や金額の大小だけで業種を自動決定はできません。
最初に確認する3点
- 注文書・請書は1件か、別契約か見積や請求が複数行でも、契約を分けた証拠にはなりません。
- 発注者が完成を求めた工事は何か仕様書・図面・施工範囲から、契約の主な目的を確かめます。
- 撤去と仕上げは一体の作業か何を取り壊したか、撤去が後続工事に必要だったかを確認します。
1件の契約を、見積書の内訳で2件にしない
工事経歴書は業種ごとに作りますが、埼玉県の令和8年版手引きは、1件の請負契約を分割して複数の建設工事として計上することはできないと明記しています。たとえば「撤去100万円・内装仕上げ200万円」という見積内訳があっても、それだけで工事経歴書に「解体工事100万円」と「内装仕上工事200万円」の2件を作るわけではありません。
一方で、撤去と内装がそれぞれ独立した別契約なら、各契約の内容を個別に確認します。「追加注文」「変更契約」が元の工事と一体かどうかも、書類で確かめます。契約単位が曖昧なら、先に分割請求・追加工事を工事経歴書でまとめる方法をご覧ください。
出典:埼玉県建設業許可申請・届出の手引き(令和8年版)、工事経歴書の記載要領(手引き74ページ)。
契約から業種まで、3段階でたどります
業種名から先に決めず、注文された仕事から逆にたどります。下の図は判断に必要な確認順で、個々の工事を自動判定するものではありません。
- 契約を数える
契約書、注文書・請書、変更契約、追加注文を並べます。請求書の枚数や見積の項目数では決めません。
- 契約の主な目的を読む
工事名の「リフォーム」「原状回復」「内装解体」だけでなく、施工範囲、引渡し時の状態、図面・仕様書を見ます。
- 他の作業が附帯か独立かを確かめる
主な工事に従属し、実施に必要・合理的で一体性があるかなどを総合的に確認します。単純に金額の大きい方を主な工事とはしません。
「内装+撤去」でも、内容によって確認点は違います
| 書類・工事の状況 | まず確認すること |
|---|---|
| 壁紙の張替えを請け負い、古い壁紙をはがす | 仕上げのための撤去か、契約の主な目的は何かを確認。「撤去」の語だけで解体工事にはしません。 |
| 建物の取り壊しを別契約で請け負う | 取り壊す対象とその工事の契約内容を確認。内装仕上げの契約とは分けて検討します。 |
| 1契約に広い撤去範囲と新たな内装工事が含まれる | 撤去が仕上げに従属するのか、独立した内容かを仕様書・図面で確認。不明なら県に契約資料を示して確認します。 |
埼玉県の手引きでは、内装仕上工事は建築物の内装を木材・石こうボード・壁紙などで仕上げる工事、解体工事は工作物の解体を行う工事と説明されています。ただし、専門工事で建設した目的物だけを解体する場合など、実際の対象によって扱いが変わるため、「撤去」という文字だけを業種名に置き換えないでください。
出典:埼玉県令和8年版手引き「建設工事の種類と例示」内装仕上工事・解体工事。
附帯工事なら、許可や技術者も確認します
主な工事に附帯する工事は、主な工事と一緒に請け負える場合があります。ただし、「附帯だから何の条件もなく自社で施工できる」という意味ではありません。自社で施工する場合の専門技術者の配置や、許可のある業者への下請発注など、建設業法上の条件を別に確認します。
国土交通省の説明では、附帯工事かどうかは、主な工事に伴う必要性・合理性、工事間の関係や一体性、発注者の利便などを総合的に考えます。工事経歴書の記載先と、受注・施工に必要な許可の確認は、混ぜずに行いましょう。
出典:国土交通省中国地方整備局「建設業法に関するQ&A」(附帯工事の考え方)、埼玉県令和8年版手引き「附帯工事」。
迷ったときに揃える書類
- 契約書・注文書/請書、変更注文書発注された工事の単位と契約目的を確認します。
- 見積書の内訳、仕様書、施工図面撤去する対象と仕上げる範囲、両作業の関係を確認します。
- 完成時の資料、工事台帳、許可業種契約した内容と実際の施工、記載しようとする業種を照合します。
資料を見ても主な工事や附帯性が分からないときは、埼玉県の窓口へ契約内容と施工範囲を示して確認してください。後から工事名だけで分類し直せるようにするより、契約時の資料を残す方が確実です。
見積の項目と「工事1件」は同じではありません

小野田 敦士
- 司法書士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
内装と撤去が並ぶ見積書を見たら、金額の振り分けより先に注文書を確認します。1契約を勝手に2件へ分けないこと、撤去の対象と目的を確認することが最初の一歩です。判断が割れる工事は、資料を揃えて県に照会します。
この相談で一緒に確認できること
契約ごとに、工事経歴書へ記載する前の整理をします
- 注文書・請書から工事1件の単位を確認する
- 仕様書・図面から主な工事と附帯する作業を整理する
- 業種の判断に不足する資料や県への確認事項を洗い出す
内装・解体が混ざる工事の記載先で迷う場合は、契約書・注文書、見積書、工事の内容が分かる資料をお知らせください。資料から確認すべき点を整理します。
決算変更届の相談内容を見る関連するQ&A
見積書で「解体」と「内装」を分けていれば、2業種に記載できますか?
見積の行が分かれているだけでは、別々の請負契約とはいえません。まず契約書・注文書で1件か別契約かを確かめ、1件なら主な工事と附帯工事の関係を確認します。
金額が大きい方を主な工事にすればよいですか?
金額だけでは決めません。発注者が求めた工事の目的、施工範囲、他の作業との一体性などを確認します。
「内装解体」と書かれていたら、解体工事業ですか?
工事名だけでは判断できません。何を取り壊すのか、内装仕上げに伴う撤去か、独立した取り壊し工事かを契約内容と実際の施工で確かめます。