産廃収集運搬・許可証と取引先への提出

元請に産廃の許可証を求められたら?
渡す書類をフローチャートで確認

最終更新:

「産廃の許可証を送って」と言われたら、何を渡せばよい?

想定されるご相談

新しく取引する元請から、会社の登録書類と一緒に産廃の許可証を送るよう言われました。手元の許可証をコピーすればよいのでしょうか。それを渡したら、現場の廃材を自社のトラックで運んでもよいのかも気になっています。

最新の自社許可証の写しを用意します。運搬を頼まれたら、許可の範囲と契約も確認します

基本は、最新の、自社名義の産業廃棄物収集運搬業許可証の写しです。別紙がある許可証は、品目や条件を確認できるよう、別紙も含めて用意します。元請には、取引先登録の資料なのか、今回の廃材の運搬を委託するための資料なのかを確認してください。

許可証を渡しただけで、どの現場の廃材でも運べるわけではありません。実際に運ぶ場合は、自社の許可でその地域・品目を扱えるかと、産廃の運搬を委託する書面契約を確認します。許可がない方も、何を求められているか分からない段階からご相談いただけます。

許可証を渡す前に確認すべき3つのポイント

  • 提出の目的取引先登録だけか、実際の運搬依頼もあるかで、その後に確認する契約や現場の情報が変わります。
  • 自社名義の最新の許可証か会社名、期限、書換え後の書類を確認します。社長個人や協力会社の許可証を、自社のものとして出すことはできません。
  • 今回の運搬に合う許可か積む場所・下ろす場所、廃材の品目、積替え保管の有無などが、許可の範囲と合うかを確認します。

元請に渡す書類をフローチャートで確認

自社の許可の有無、いま渡せる許可証の状態、元請からの依頼内容を2〜3問で確認します。何を求められているか分からない場合も、その段階からご相談いただけます。

フローチャート:元請から許可証を求められたときの書類

6とおりの結論を、まとめて見る
  • 自社名義の産廃収集運搬業の許可はありますか? あるいま渡せる許可証や、更新申請はどの状態ですか? 最新の許可証が期限内元請からは、許可証の提出だけでなく廃材の運搬も頼まれていますか? 取引先登録の資料だけ

    元請の指定に合わせ、自社の最新許可証の写しを用意します

    • 元請が確認したい営業地域の許可証を、別紙も含めて用意します。PDF等の提出形式や追加資料は、元請の指定を確認してください。
    • 取引先登録が済んでも、個別の運搬を始められるとは限りません。運搬の依頼を受けたときは、地域・品目・条件と委託契約を確認します。
    • 書類の選び方や依頼内容が分からない場合も、一緒に確認できます。
  • 自社名義の産廃収集運搬業の許可はありますか? あるいま渡せる許可証や、更新申請はどの状態ですか? 最新の許可証が期限内元請からは、許可証の提出だけでなく廃材の運搬も頼まれていますか? 廃材の運搬も頼まれている

    今回の運搬範囲を照合し、許可証の写しと書面契約を準備します

    • 積む場所と下ろす場所、廃材の品目、許可の条件が合うかを確認してください。許可証を持っているだけで、すべての現場の廃材を運べるわけではありません。
    • 今回の運搬に必要な地域の許可証写しを、別紙も含めて渡します。産廃の運搬を委託する書面契約も、運搬前に締結します。
    • 品目や必要な許可が分からない段階でもご相談いただけます。
  • 自社名義の産廃収集運搬業の許可はありますか? あるいま渡せる許可証や、更新申請はどの状態ですか? 期限内受付・更新の審査中

    旧許可証の写しと、更新受付・審査中を説明できる資料を示します

    • 元の期限内に更新申請が受け付けられ、まだその申請への処分がない場合は、元の許可の効力が続きます。予約だけではこの扱いになりません。
    • 元請に旧許可証の写しと、期限内の受付日や審査中の状況を確認できる資料を示します。埼玉県は、委託契約に更新中と分かる書面を添付するよう案内しています。
    • 新しい許可証が交付されたら、新しい写しを渡します。実際に運ぶ場合は、地域・品目・条件と委託契約も確認してください。
  • 自社名義の産廃収集運搬業の許可はありますか? あるいま渡せる許可証や、更新申請はどの状態ですか? 期限切れ・受付状況が不明

    期限切れの許可証だけで、有効な許可があるとは伝えないでください

    • 期限を過ぎても効力が続くのは、期限内に更新申請が受け付けられ、その申請への処分がまだない場合です。更新予定というだけでは足りません。
    • 受付日や申請結果が分からない場合は、許可した自治体へ状況を確認します。確認できるまでは、元請に有効な許可があると断定しないでください。
    • 運搬を引き受けたり続けたりする前に、有効な許可があるかを確認する必要があります。分からない場合も一緒に確認できます。
  • 自社名義の産廃収集運搬業の許可はありますか? ない今回は取引先登録の資料だけですか。廃材の運搬も頼まれていますか? 取引先登録の資料だけ

    許可を持っていない旨を伝え、元請の登録条件を確認します

    • 自社が運搬しない取引もあるため、許可証を持っていないと伝えたうえで、元請に登録条件と仕事の範囲を確認してください。
    • 社長個人や協力会社の許可証、講習修了証を、自社の許可証として代わりに提出するものではありません。
    • 取引先登録が済んでも、許可が必要な運搬を無許可で引き受けることはできません。許可取得を検討する段階からご相談いただけます。
  • 自社名義の産廃収集運搬業の許可はありますか? ない今回は取引先登録の資料だけですか。廃材の運搬も頼まれていますか? 廃材の運搬も頼まれている

    通常の受託運搬には許可が必要です。元請と対応を相談してください

    • 建設工事の廃材は原則として元請が排出事業者です。下請が通常の受託運搬を行うには、下請自身の収集運搬業許可が必要です。
    • 許可がない旨を元請へ伝え、元請が許可業者へ委託するなどの対応を相談します。講習修了証や他社の許可証で代用することはできません。
    • 下請が許可なしで運べる限定的な例外はありますが、少量だから使えるわけではありません。例外の条件は関連記事で確認できます。

普通産廃収集運搬業・積替え保管なしを中心に、元請へ資料を提出する場合の案内です。元請独自の登録条件や、実際の運搬の可否を判定するものではありません。許可なしの運搬例外は別記事で説明しています。

元請へ渡す書類は、許可証のコピーだけ?

まずは、提出目的に合う許可証の写しを用意します。取引先登録の書式や追加資料は元請ごとに異なります。「どの会社でも、この一式だけで足りる」とは限りません。書面契約に添付する許可証と、元請が独自に求める登録資料を分けると、何が必要かを確認しやすくなります。

提出目的ごとの書類と、その後の確認
求められた場面用意する資料併せて確認すること
取引先・協力会社の登録元請が確認したい営業地域の、最新の自社許可証の写し。許可証の別紙があれば併せる。提出先、指定された形式、ほかの登録資料。登録が済んでも、個別の運搬を始められるとは限らない。
今回の廃材の運搬を依頼された今回の積込み・荷下ろしに必要な地域の許可証写し。品目・条件を確認できる別紙も含む。現場、廃材、搬入先と許可の一致。許可証写しを添付する産廃の運搬委託契約を、運搬前に締結する。
更新審査中で、新しい許可証がまだない旧許可証の写しと、期限内に更新申請が受け付けられ、審査中であることを説明できる資料。元の期限、受付日、現在の審査状況。新しい許可証が交付されたら、新しい写しを渡す。
車両資料なども求められた元請の指定に応じた車検証等の資料。許可証とは分けて用意する。何を確認するための資料か。車検証や車両一覧だけで、収集運搬業の許可を証明することはできない。

提出用の写しは、会社名や品目、条件が読める状態にしてください。表面だけでなく、裏面や別紙に続きがある場合は、その内容も欠かさず渡します。PDFやカラーコピーなどの指定がある場合は、元請の提出方法に合わせます。

原本の提出を求められたときは、原本を確認したいのか、預かりたいのか、返却はどうするのかを先に確認してください。元請との取引資料の提出と、県への許可申請で原本を求められる手続は別です。

許可証写しを委託契約書へ添付する根拠:埼玉県「排出事業者の処理責任」。登録書式やPDFの指定等は、一律の法定書式ではなく、相手方に確認する実務上の案内です。

手元の許可証は、どこを確認する?

「許可番号があるから大丈夫」ではなく、今回頼まれた仕事と、許可証に書かれた範囲が合っているかを確認します。元請に送る前に、次の欄を見比べてください。

許可証の欄と、元請の依頼内容の照合
許可証で見るところ確認する内容
許可を受けた者の氏名・名称運搬を引き受ける事業者と同じか。法人なら会社名を確認し、社長個人の許可と取り違えない。
許可した自治体・許可区域廃材を積む場所と下ろす場所に必要な許可があるか。本店の所在地だけで選ばない。
業の種類・積替え保管収集運搬業か処分業か。積替え保管なしの許可で、途中の置場に下ろして保管する予定にしない。
事業の範囲・廃棄物の種類今回の廃材の品目を扱えるか。品目名の後の括弧書きや、別紙の限定も確認する。
許可の条件車両・取扱いなどの制限が、予定する仕事に反しないか。品目名だけで判断しない。
許可の有効年月日運搬する時点で有効か。更新中なら、期限内の受付と現在の審査状況も確認する。

例えば、積む県と下ろす県の許可を持っていても、一方の許可に今回の品目がなければ、その2枚を送るだけでは足りません。具体的な地域の考え方は積む県・下ろす県の許可の記事、廃材の品目はリフォーム廃材と許可品目の記事で説明しています。

社長個人で許可を取った後に法人成りしている場合も注意が必要です。個人の許可を新しい会社がそのまま使うことはできません。会社名の変更や許可証の書換えがあるときは、以前保存したPDFではなく、現在の許可内容を確認できる資料を用意します。

出典:埼玉県「排出事業者の処理責任」の許可証確認事項。取扱品目・地域・条件は、実際の許可証と申請先の案内で確認してください。

更新中で、許可証の日付が過ぎていたら?

元の許可期限内に更新申請が受け付けられ、まだその申請に対する処分がない場合は、元の許可の効力が続きます。更新の予約をしただけ、これから申請する予定というだけでは、この扱いになりません。

埼玉県のFAQは、許可更新中でも委託契約を結べるとし、更新中であることが分かる書面を契約書に添付するよう案内しています。元請には、旧許可証の写しとともに、期限内の受付日や審査中の状況を確認できる資料を示します。受付済みの申請控えなど、どの書類で説明できるかは、手元の資料と許可した自治体の取扱いを確認してください。

新しい許可証が交付されたら、元請に新しい写しを渡し、委託契約の添付資料も更新します。受付日が分からない、更新申請をしていない、申請結果が分からない場合は、「更新中だから大丈夫」とは伝えないでください。運搬を引き受けたり続けたりする前に、許可した自治体へ状況を確認する必要があります。

出典:埼玉県「産業廃棄物Q&A」Q1-6、環境省「廃棄物処理法に基づく許可の更新等に係る手続について」。更新の準備時期は更新準備の記事で案内しています。

許可証を渡せば、現場の廃材を運んでよい?

許可証の提出と、産廃の運搬を引き受ける契約は別です。建設工事で生じる廃棄物は、原則として元請が排出事業者です。下請が運ぶ場合は、原則として下請に収集運搬業の許可が必要です。元請(排出事業者)と産廃収集運搬の委託契約を結び、その契約書に許可証の写しを添付します。

工事の見積書に「廃材処分費込み」と書かれているだけ、許可証のPDFを送っただけでは、産廃の委託契約に必要な確認が済んだとはいえません。収集運搬業者と処分業者が別なら、元請はそれぞれと委託契約を結びます。自社が運搬だけを受託するなら、自社の収集運搬業許可証と、処分先の処分業許可証を取り違えないようにします。

許可がない場合は、そのことを元請へ伝え、元請が許可業者へ委託するなどの対応を相談してください。下請が許可なしで運べる限定的な例外はありますが、少量という理由だけでは使えません。例外の条件は下請が現場の廃材を運ぶ場合の記事で説明しています。

元請が会社登録として許可証を求めているだけで、自社が運搬をしない場合もあります。その場合は、産廃許可を持っていないと伝えたうえで、登録の条件を確認します。講習の修了証や他社の許可証を、自社の許可証の代わりに提出するものではありません。

出典:環境省「建設工事から生ずる廃棄物の適正処理について」、埼玉県「排出事業者の処理責任」。契約当事者やマニフェスト等も、実際の運搬開始前に確認します。

元請には、どのように返事をする?

写しを送るときは、どの許可証を添付したかと、まだ確認が必要なことを分けて伝えます。次は説明用の架空の文例です。実際に添付する書類や依頼内容に合わせて変えてください。

期限内の許可証を送る場合

ご依頼の産業廃棄物収集運搬業許可証の写しを、別紙を含めてお送りします。今回は協力会社登録用の提出でしょうか。それとも、現場の廃材の運搬もご依頼予定でしょうか。運搬をご依頼いただく場合は、現場・廃材の内容・搬入先を確認し、当社の許可の範囲と委託契約について確認させてください。

期限内に受け付けられた更新申請が審査中の場合

現在、期限内に受け付けられた許可の更新申請が審査中です。旧許可証の写しと、更新申請の受付を確認できる資料をお送りします。新しい許可証が交付されましたら、改めて写しをお送りします。

更新中の文例は、実際に期限内の受付と審査中であることを確認できる場合だけ使います。分からない場合は、有効と断定する返信をする前にご相談ください。

許可証の提出で使う用語

許可証の写し
交付された許可証をコピーしたものです。別紙がある場合は、その内容も含めて許可を確認します。講習修了証とは異なります。
事業の範囲
その許可で行える収集運搬や処分、取り扱う産廃の種類などです。品目名に付いた限定も確認します。
排出事業者
事業活動に伴って廃棄物を生じさせる事業者です。建設工事では、原則として元請が該当します。
産廃処理委託契約
排出事業者が産廃の収集運搬や処分を委託するための契約です。許可証の写しを渡すことと、必要事項を定めた契約を結ぶことは別です。

何を送ればよいか分からない方へ

司法書士・行政書士の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

元請から許可証を求められたものの、どの書類を送るのか、今の許可で頼まれた仕事を受けられるのか、分からないままでもご相談ください。許可証の読み方や、元請へ確認したい内容は一緒に確かめましょう。まだ許可をお持ちでない方も、先に必要書類をそろえる必要はありません。お話をうかがいながら、許可取得や追加の申請が必要かを確認します。

普通産廃収集運搬業・積替え保管なし

元請からの許可証提出・産廃許可の相談

許可の有無や範囲、更新中の資料が分からない段階からご相談いただけます。元請に言われた内容も、分かる範囲でお話しください。

産廃許可の相談・業務案内

元請へ許可証を渡すときによくある疑問

県の業者名簿の画面だけを送ればよい?

埼玉県の処理業者名簿は許可情報の確認に役立ちますが、契約に添付する許可証の写しそのものではありません。名簿だけで済ませず、現在の許可証写しで品目・条件・期限も確認してください。名簿と写しの内容が違うときは、許可した自治体へ確認します。

会社の許可がなくても、社長個人の許可証を出せる?

会社の許可証として提出することはできません。個人と法人は、許可を受ける事業者が異なります。名義を変えて使い回すのではなく、どちらが仕事を受けて運ぶのかと、その事業者の許可を確認します。

許可を持っていないと、元請と取引できない?

取引先登録の条件は元請ごとに異なります。自社が廃材の運搬をしない取引もあるため、許可を持っていない旨と、依頼される仕事の範囲を元請へ確認してください。許可が必要な運搬を無許可で引き受けてよいという意味ではありません。

車検証や講習修了証も、必ず一緒に送る?

元請から追加資料として求められる場合はありますが、すべての取引で同じ一式を出す決まりではありません。提出の目的と指定を確認してください。車検証や講習修了証だけでは、産廃収集運搬業の許可を受けた証明にはなりません。

2026年10月29日時点の公的資料に基づく案内です。普通産廃収集運搬業・積替え保管なしを中心に、元請へ資料を提出する建設会社向けに説明しています。文例は架空で、個別の許可の有効性・運搬の可否を保証するものではありません。元請独自の登録書式や許可の個別条件は、相手方・許可した自治体へ確認してください。