産業廃棄物収集運搬業・最初の用語整理
産廃の「資格」や「免許」とは、何を取ることですか?
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運転手全員が「産廃の資格」を取るのでしょうか?
建設現場から出た産業廃棄物を、取引先から委託されて運ぶ事業を始めます。「産廃の資格」や「産廃免許」が必要と聞きました。会社が取るのか、トラックを運転する社員が取るのか、JWセンターの講習を受ければ営業できるのかが分かりません。
中心は、事業者が受ける「収集運搬業の許可」です
「産廃免許」という正式名称の個人資格を、運転手全員が取る手続ではありません。他社から委託を受けて産業廃棄物を運ぶ場合は、会社または個人事業主が産業廃棄物収集運搬業の許可を受けます。その申請にあたり、法人の役員等、一定の立場の人がJWセンターの講習会を修了します。トラックを運転する人の運転免許は、この許可や講習修了証とは別です。
申請前に確認する3点
- 誰の産業廃棄物を運ぶのか自社が排出した廃棄物の自己運搬か、他社から委託を受ける運搬かで、許可の要否を分けて考えます。
- 許可を受けるのは法人か個人か法人なら会社名義、個人事業なら個人名義で申請します。屋号だけで許可を受ける手続ではありません。
- 講習を受ける人が要件を満たしているか埼玉県は、法人では役員(監査役を除く。)等または政令で定める使用人、個人では申請者本人または政令で定める使用人のうち常勤者と案内しています。
「許可」「修了証」「運転免許」は、別のものです
検索では「産廃資格」「産廃免許」と呼ばれていますが、必要になるのは同じ種類の資格ではありません。事業を始めるための中心は、事業者が自治体から受ける収集運搬業の許可です。講習会の修了証は、許可申請で知識・技能を示すために使います。
出典:環境省「産業廃棄物収集運搬業の許可」、埼玉県「よくある質問」Q6・Q7。
許可を受けるのは、運転手ではなく事業者です
廃棄物処理法上の手続名は「産業廃棄物収集運搬業の許可」です。対象は、産業廃棄物の収集または運搬を業として行おうとする者です。法人で事業を行うなら法人、個人事業で行うなら個人が申請者になります。
そのため、社員が講習の修了証や大型自動車免許を持っていても、それだけで会社が他社の産業廃棄物を受託して運べるわけではありません。運ぶ品目、積む場所と下ろす場所、車両・容器、事業計画、財務状況、欠格要件などを確認し、必要な行政庁の許可を受けます。
| 名称 | 誰が持つか | 役割 | それだけで営業できるか |
|---|---|---|---|
| 産業廃棄物収集運搬業の許可 | 法人または個人事業主 | 他社の産業廃棄物を収集・運搬する事業の許可 | 許可範囲と運用上の義務を守って営業する |
| 講習会の修了証 | 申請者のうち対象となる役員等 | 許可申請で知識・技能を示す | 修了証だけでは営業できない。別途、収集運搬業の許可申請が必要 |
| 車種に応じた運転免許 | 実際に車を運転する人 | 使用する車両を運転する | 運転免許だけでは営業できない。産廃の営業許可は別に必要 |
初めて申請するなら、原則は「収集・運搬課程(新規)」です
埼玉県は、初めて収集運搬業の許可を取る人に対し、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが実施する許可申請に関する講習会の収集・運搬課程(新規)を受講し、修了証を取得するよう案内しています。
JWセンターの現在の案内では、新規講習会の「産収」は「産業廃棄物の収集・運搬課程」の略称です。処分業の許可を取るための「産処」や、特別管理産業廃棄物を扱う「特収」とは別の課程です。今回取りたい許可に合う課程を選びます。
すでに許可を持ち、期限後も事業を続けるための講習には更新講習会があります。ただし、初めての申請でどの修了証が使えるかは、他自治体の許可の有無や申請区分によって扱いが変わる場合があります。新規・更新という言葉だけで決めず、申請先の手引きで確認します。
出典:埼玉県「許可申請に係る手続きの流れ」、JWセンター「処理業(新規)講習会」、「処理業(更新)講習会」。
申込み前に知っておきたい用語
| 用語 | 意味 | 間違えやすい点 |
|---|---|---|
| JWセンター | 公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターの通称。許可申請に関する講習会などを実施する | 自治体に代わって営業許可を出す機関ではない |
| JWNET | JWセンターが運営する電子マニフェストシステム | 講習会の修了証や収集運搬業の許可そのものではない |
| 処理業(新規)講習会 | 処理業の許可を新たに受けようとする人などを対象とする講習会 | 収集運搬、処分、特別管理など、課程を選ぶ必要がある |
| 収集・運搬課程(新規) | 通常の産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請に対応する課程。JWセンターの略称は「産収」 | 処分業や特別管理産業廃棄物の課程とは別 |
| 修了証 | 講習を受け、修了試験に合格した人に交付される証明 | 会社の営業許可証ではない |
| 更新講習会 | すでに処理業の許可を受け、更新許可を受けようとする人などを対象とする講習会 | 初めての申請なら自動的に更新課程を選べるわけではない |
講習は、埼玉県内の会場だけに限られません
JWセンターの講習会には、事前に会社や自宅などで講義動画を視聴し、会場で修了試験を受けるオンライン形式と、会場で講義を受けて試験を受ける対面形式があります。どちらも、申込みはWebから行います。
事業場がある都道府県と同じ会場を選ぶ必要はありません。JWセンターの案内では、どの都道府県の会場で受けた修了証でも、すべての都道府県・政令市の許可申請に使用できるとされています。会場ごとの日程と移動時間を比較して選べます。
希望する時期に間に合うよう、講習会場を探してください。
各会場は定員に達すると締め切られます。オンライン形式でも修了試験は会場で受けるため、「今日申し込んですぐ修了」という手続ではありません。希望日に受講できない場合もあるため、講習日程を最初に確認します。
「資格を取りたい」と思ったときの確認順
自社運搬か受託運搬か、法人名義か個人事業主名義かを確認し、許可の要否と申請者を決めます。
申請者が決まったら、許可に対応する課程と受講形式を確認し、試験会場の空席を調べて講習を申し込みます。
講習の申込み後、品目、運搬区間、車両・容器を確認します。財務資料をそろえ、修了証などの必要書類とともに申請先へ提出します。
「資格」と考える前に、運ぶ計画を確認します

小野田 敦士
- 司法書士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
「産廃の資格を取りたい」という相談では、講習名を決める前に、誰の廃棄物を、どの現場から、どの処分先へ運ぶ予定かを確認します。必要な許可の範囲を確認したあとで申請者と受講者を決めると、課程や申請先の取り違えを防ぎやすくなります。
相談前に、次の内容をご確認ください
運搬内容を確認し、必要な許可と受講者を決めます
- 自社運搬か受託運搬かを確認し、収集運搬業許可の要否を判断します。
- 法人または個人のうち、許可申請者となる者を確認します。
- 申請する許可に応じて、講習を受ける人と課程を確認します。
- 積む場所、下ろす場所、品目、車両を確認し、必要な許可の範囲を決めます。
分かる範囲で「法人・個人」「誰の廃棄物か」「積む都県」「下ろす都県」「主な品目」をお知らせください。
産廃収集運搬業許可のサポート内容を見る講習を申し込む前に、許可区分と受講課程を確認します。関連するQ&A
トラックを運転する社員全員が、JWセンターの講習を受けますか?
埼玉県の案内は、法人では役員(監査役を除く。)等または政令で定める使用人、個人では申請者本人または政令で定める使用人のうち常勤者を受講者としています。運転手全員の受講を求める案内ではありません。
講習会の修了証を取れば、すぐに産廃を運べますか?
いいえ。修了証は許可申請に使う書類であり、産業廃棄物収集運搬業の許可証ではありません。品目、運搬区間、車両などを整理し、必要な行政庁の許可を受けます。
講習は埼玉県の会場で受けなければいけませんか?
いいえ。JWセンターは、どの都道府県の会場で受けた修了証でも、すべての都道府県・政令市の許可申請に使用できると案内しています。空席や日程、移動を考えて選べます。
オンライン講習なら、試験も自宅で受けられますか?
現在のオンライン形式は、講義動画を会社や自宅などで視聴し、修了試験は会場で受ける方式です。試験会場の日程と空席を確認して申し込みます。
JWセンターとJWNETは同じものですか?
JWセンターは講習会や電子マニフェスト事業などを行う公益財団法人です。JWNETは、JWセンターが運営する電子マニフェストシステムの名称です。JWNETへの加入は、講習会の修了証や収集運搬業の許可とは別です。
自社の工事で出た廃材を自社で運ぶ場合も、同じ許可が必要ですか?
自ら排出した産業廃棄物を自ら運ぶ場合と、他社から委託を受けて運ぶ場合は分けて判断します。元請・下請のどちらが排出事業者に当たるか、運搬の委託関係がどうなっているかを確認してください。