埼玉県の建設業許可・毎年の決算変更届

埼玉県の決算変更届には、何を用意すればよいですか?

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決算書と請求書があれば、決算変更届を出せますか?

想定されるご相談

埼玉県で建設業許可を持つ小さな会社です。税理士から決算書を受け取りました。県へ毎年出す決算変更届には、ほかに何を用意すればよいでしょうか。請求書はありますが、法人用と個人用の書類や、添付を省略できる書類が分かりません。

工事資料・決算資料・県提出用の書類を、分けて集めます

決算書と請求書は出発点ですが、それだけを県へ提出する手続きではありません。まず工事台帳や契約書・請求書から工事実績を確認し、税務申告用の決算資料を建設業の様式へ整理します。そのうえで、共通書類、法人または個人の財務諸表、事業税の資料、変更があった場合の書類をそろえます。

先に確認したい3つのこと

  • 法人か、個人事業主か財務諸表の様式が分かれます。法人のうち株式会社だけに必要な書類や、規模によって必要になる書類もあります。
  • どの事業年度を届け出るか決算期、前回の提出控え、許可番号を確認します。決算期を変更した場合は、対象期間を思い込みで決めません。
  • 許可業種ごとの工事資料がそろうか工事件名、注文者、元請・下請、請負金額、工期、配置技術者を確認できる資料を、対象年度ごとに集めます。

最初に、手元の資料を3つに分けます

県へ出す様式をいきなり埋め始めるより、手元の資料を「会社・許可」「工事」「決算・税務」の3束に分ける方が、抜けと数字の不一致を見つけやすくなります。

最初に集める手元資料
資料の束用意するもの確認すること
会社・許可許可通知書、前回の許可申請・決算変更届の控え、当期中の会社情報の変更が分かる資料許可番号、許可業種、対象事業年度、商号・所在地・役員等の変更
工事工事台帳、契約書・注文書・注文請書、請求書、入金記録など工事名、場所、注文者、元請・下請、金額、工期、配置技術者、完成・未成
決算・税務決算書、法人税・所得税の申告書控え、勘定科目の内訳、事業税の納税資料完成工事高、兼業売上、工事原価、当期の財務数値、事業税の確認方法

請求書の枚数と、工事件数は同じとは限りません。
一つの工事を着手金・中間金・完了金に分けて請求している場合があります。請求書だけを1行ずつ転記せず、契約単位と追加工事の有無を確認します。

県へ出す書類は、共通部分のあとに法人・個人で分かれます

埼玉県の令和8年版手引きでは、変更届出書、工事経歴書、直前3年の工事施工金額が共通です。その後に、法人用または個人用の財務諸表を付けます。最後に事業税の資料と、変更内容に応じた書類を確認します。

埼玉県の決算変更届では、変更届出書・工事経歴書・直前3年の工事施工金額を共通で用意し、法人用または個人用の財務諸表へ分岐する。最後に事業税の納税証明書または同意書と、該当する条件付き書類を確認する。
共通書類→法人・個人別の財務諸表→事業税・条件付き書類の順に確認します。埼玉県の令和8年版手引き142・146ページと決算報告の手引きに基づく概要です。

出典:埼玉県「変更届出書(決算報告)提出の手引き」、令和8年版手引き「10 許可後の注意事項」

法人・個人に共通する提出書類

すべての許可業者が確認する基本書類
県へ出す書類何をまとめる書類か準備に使う資料
変更届出書(県様式第1号)許可番号、届出者、対象事業年度と添付する書類許可通知書、決算期、会社・事業主の情報
工事経歴書(様式第2号)許可を受けている工事業種ごとの主な完成工事と未成工事工事台帳、契約書・注文書、請求書、配置技術者の記録
直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号)業種別、元請・下請別の工事金額を事業年度ごとに集計当期と過年度の工事経歴・決算変更届の控え
事業税の納税証明書、または納税情報確認の同意書法人・個人とも、埼玉県の事業税について確認県税事務所の納税証明書、または県の同意書

工事実績がなかった許可業種も、工事経歴書そのものを省略するのではありません。県の手引きでは、工事の種類を記入し、空欄に「該当なし」と記入して添付する扱いです。実績がない業種は、1枚にまとめられる場合があります。

また、工事経歴書、直前3年の工事施工金額、損益計算書の完成工事高は、別々に作って終わりではありません。対象期間、税込・税抜の扱い、完成工事の範囲をそろえ、数字がどのようにつながるかを確認します。

法人の場合に用意する財務諸表

税務申告用の決算書をそのまま添付するのではなく、建設業の様式に整理します。小さな会社でも、完成工事高と兼業売上、完成工事原価と販売費・一般管理費などを分ける確認が必要です。

法人用の財務書類
書類対象
貸借対照表(様式第15号)法人
損益計算書・完成工事原価報告書(様式第16号)法人。工事実績がある場合は完成工事原価の内訳も確認
株主資本等変動計算書(様式第17号)法人
注記表(様式第17号の2)法人
事業報告書株式会社のみ
附属明細表(様式第17号の3)資本金1億円超または貸借対照表の負債合計200億円以上の株式会社。対象会社は手引きの免除条件も確認

税理士から受け取る決算書は重要な基礎資料ですが、建設業用の財務諸表まで依頼範囲に含まれているとは限りません。担当範囲の確認方法は、税理士への決算依頼と決算変更届の記事で説明しています。

個人事業主の場合に用意する財務諸表

個人事業主は、個人用の貸借対照表と損益計算書を使います。青色申告決算書や収支内訳書をそのまま県様式の代わりにするのではなく、事業用の資産・負債、完成工事高、兼業売上、工事原価などを個人用の建設業様式へ整理します。

  • 貸借対照表(様式第18号)期首・期末の資産、負債、事業主借・事業主貸などを確認します。
  • 損益計算書(様式第19号)完成工事高、完成工事原価、兼業の売上・原価、経費を確認します。
  • 個人事業税の資料県税事務所の事業税の納税証明書、または納税情報確認の同意書を確認します。

当期中に変更があった場合は、追加書類を確認します

決算変更届の機会に、期末の状況を届ける項目があります。使用人数、建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧、定款に変更があった場合や、健康保険等の加入人数に変更があった場合は、該当する書類を確認します。

役員、商号、所在地、常勤役員等、営業所技術者等などの変更は、決算変更届だけで処理できるとは限りません。それぞれ別の期限があるため、「決算のときにまとめて出せばよい」と待たず、変更日と提出状況を確認してください。

前回と同じ書類一式をコピーするだけでは不十分です。
会社形態、当期の変更、許可業種、工事実績、提出方法によって確認項目が変わります。県から内容確認のため追加書類を求められる場合もあります。

令和8年の「添付省略」は、何を省略できますか?

この届出に直接関係する主な省略は、事業税の納税証明書です。「埼玉県税の納税情報の確認に関する同意書」を提出すると、原則として納税証明書を省略できます。ただし、県のシステムで納税状況等を確認できない場合は、後から納税証明書を求められることがあります。

一方、埼玉県は2026年7月31日から、法人番号提供書により履歴事項全部証明書を省略できる制度も案内しています。これは、許可申請や会社情報の変更など、もともと履歴事項全部証明書が必要な手続きで確認する制度です。通常の決算変更届の基本書類には履歴事項全部証明書が含まれていないため、法人番号提供書を付ければ決算報告の財務諸表や工事書類まで省略できる、という制度ではありません。

省略制度を混同しないための整理
制度省略できる書類注意点
県税の納税情報確認への同意事業税の納税証明書を原則省略確認できない場合は納税証明書を求められることがある
法人番号提供書対象手続きの履歴事項全部証明書決算変更届の工事経歴書や財務諸表を省略するものではない

出典:埼玉県「建設業許可申請の手引き・様式集」(2026年7月30日掲載)。現行の同意書・法人番号提供書は県の様式を使用してください。

紙で提出するときは、提出用と控えを用意します

県の手引きでは、紙の提出部数は正本・副本各1部です。郵送できる決算報告は届出期間内必着で、新規許可後初めての提出など郵送できない場合があります。郵送時は送付票、返信用封筒、必要な切手を確認し、送った書類一式のコピーを手元に残します。

出典:埼玉県「郵送受付」。提出方法は今回の条件と最新案内を確認してください。

私なら、決算書より先に工事の一覧を確認します

司法書士・行政書士の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

私なら、まず対象年度の工事を契約単位で並べます。その後に決算書の完成工事高と照合し、法人・個人に合った県様式へ進みます。省略制度は最後に確認し、最初から「この書類は要らない」と決めつけません。

この相談で一緒に整理できること

手元資料から、県へ出す書類の準備順を確認します

  • 対象年度、法人・個人、許可業種を確認する
  • 工事台帳・契約書・請求書を契約単位で整理する
  • 決算資料を建設業の財務諸表へ整理するための不足を確認する
  • 事業税の資料、当期の変更、提出方法を確認する

分かる範囲で「法人・個人」「決算月」「許可業種」「工事台帳の有無」をお知らせください。

決算変更届の必要書類について相談する資料がすべて揃っていなくても相談できます。個別の提出書類と受付は県の確認によります。

関連するQ&A

工事がなかった年も、工事経歴書は必要ですか?

はい。県の手引きでは、許可業種を記入し、空欄に「該当なし」と記入して添付します。実績のない複数業種を1枚にまとめられる場合があります。

税務申告用の決算書を、そのまま提出できますか?

そのまま添付して完了する手続きではありません。法人・個人それぞれの建設業用財務諸表へ整理し、工事経歴書等の数字とのつながりも確認します。

納税証明書は必ず取得しますか?

県税の納税情報確認に関する同意書を提出すれば、原則として省略できます。ただし、県がシステムで確認できない場合は、納税証明書を求められることがあります。

決算変更届を何年分か出していない場合も、必要書類は同じですか?

年度ごとに工事・決算資料を分けて整理します。複数年度の提出方法や許可更新との順序も確認が必要です。詳しくは未提出の決算変更届と許可更新の記事をご覧ください。