埼玉県の建設業許可・相談事例

埼玉県の建設業許可は令和8年に何が変わった?令和7年版とのBefore/After

最終更新:

令和8年版になり、これまで集めた資料はそのまま使えますか?

よくあるご相談をもとに再構成

埼玉県で建設業許可の新規申請か更新を予定しています。令和8年から原本が不要になったと聞きました。健康保険証の写しや、これまで集めた契約書・通帳は、そのまま使えるのでしょうか。

原本提示は減りましたが、確認資料そのものが減ったとは限りません

令和8年4月版で実務上大きいのは、資格証・卒業証書・通帳等の原本提示廃止、健康保険証廃止に伴う常勤確認の見直し、承継予定日まで許可要件を切らさないことの明記です。まず新規・更新・業種追加・承継のどれかを分け、誰の経験や資格を使うかを確認します。

変更点を読む前に、先に確認したい3つのこと

  • どの申請をするのか新規、更新、業種追加、承継では、確認する変更点と必要資料が異なります。
  • 誰の経験・資格・常勤性を使うのか経営を担う人と営業所の技術者を決めてから、その人ごとの確認資料を当てはめます。
  • 手元に何が残っているのか許可通知書、決算変更届、契約書・請求書、対応する入金記録、社会保険関係資料を確認します。

令和7年版から令和8年版へ、何が変わりましたか?

埼玉県は「建設業許可申請・届出の手引き」を令和8年4月施行版へ改訂し、あわせて新旧対照表を公表しています。申請する会社に影響する変更と、説明を分かりやすくした修正を分けて読むことが大切です。

令和7年版から令和8年版への主な変更
確認する点BeforeAfter
原本提示資格証、卒業証書、通帳などで原本提示を求める記載がありました。対象資料は写しで確認する取扱いに変更されました。
工事実績一式工事は請負契約書原本、専門工事は工事資料と通帳原本を中心に確認していました。工事資料の写しと、その工事に対応する入金記録の写しをセットで確認します。
常勤性健康保険被保険者証の写しが代表的な確認資料でした。社会保険加入状況、住民税の特別徴収状況、確定申告書控えなどで確認します。
建設国保等年金事務所発行の保険料領収証書等が案内されていました。国保組合の加入証明書・領収書、資格確認書、資格情報のお知らせなどが示されました。
承継認可承継予定日までの要件維持について、独立した注意事項はありませんでした。承継予定日まで許可要件を切らさないことが明記されました。

変更箇所は、埼玉県の「新旧対照表(令和8年4月施行)」で確認できます。この記事のページ番号は、県の手引きに印刷されたページ番号です。

原本を持参しなくてもよくなったのですか?

埼玉県は、資格証、卒業証書、通帳の原本提示を廃止し、写しによる確認へ変更しました。窓口へ重要な原本を持ち運ぶ負担が減り、郵送や電子申請を考えるうえでも実務的な変更です。

「すべての証明書が写しでよい」わけではありません。県の案内にある「卒業証書」と、学校が発行する「卒業証明書」は別の資料です。令和8年版手引き38ページは「卒業証書の写し又は卒業証明書の原本」としています。

原本提示が廃止された資料でも、コピーが不鮮明だったり、有効期限や記載内容を確認できなかったりすれば、そのまま使えるとは限りません。県は、審査上の疑義がある場合に手引き記載以外の書類を求めることがあると案内しています。

工事実績の証明は楽になったのですか?

持参する物は軽くなりましたが、証明の考え方が緩くなったわけではありません。工事内容を確認できる資料と、その工事代金が入金されたことを確認できる資料の組合せが明確になりました。

令和7年版までの原本中心の確認から、令和8年4月版では工事資料と対応する入金記録をいずれも写しで確認する形へ変わった比較
工事資料と入金記録は、同じ工事に対応していることが分かるように整理します。出典:埼玉県「建設業許可申請・届出の手引き」新旧対照表(令和8年4月施行)。
  1. 一式工事は、請負契約書と入金記録を組み合わせます

    土木一式工事・建築一式工事では、請負契約書の写しと、その契約に係る入金記録のある預金通帳の写しを確認する整理です。

  2. 専門工事は、工事内容が分かる資料と入金記録を組み合わせます

    契約書、請求書、注文書などの写しと、その工事に係る入金記録のある預金通帳の写しを使います。

  3. 普段から工事資料と入金を結び付けて保存します

    「どの工事の、どの請求が、どの入金か」を後から確認できる形にしておくと、経験を証明するときに整理しやすくなります。

許可通知書などで許可期間を確認でき、決算変更届から工事実績も確認できる場合には、工事実績資料を省略できる場面があります。確認できない場合には、追加資料を求められることがあります。

健康保険証の代わりに何を出しますか?

健康保険被保険者証が廃止されたことに伴い、経営を担う人や営業所の技術者が、その会社で常勤していることを確認する資料が見直されました。

  • 会社の社会保険加入を確認できる直近の資料健康保険・厚生年金・雇用保険への加入状況を確認します。
  • 住民税の特別徴収を確認できる資料申請する会社で継続して勤務していることを確認する資料の一つです。
  • 個人事業主本人の確定申告書控えなど法人・個人、年齢、加入する保険、本人と従業員のどちらを証明するかで必要資料が変わります。

建設国保などの国民健康保険組合に加入している場合

事業所名と保険組合名が分かる直近の資料として、組合発行の加入証明書、健康保険料の領収書等、有効期限内の資格確認書または資格情報のお知らせの写しが案内されています。資格確認書等の写しは、被保険者等記号・番号をマスキングします。

納税証明書や登記事項証明書も不要になったのですか?

省略できる制度はありますが、何も添付しなくてよいわけではありません。また、始まった日がそれぞれ違います。

証明書の添付省略は開始日と必要書類を分けて確認
省略する書類開始日代わりに添付するもの
埼玉県税の納税証明書2025年6月2日埼玉県税の納税情報の確認に関する同意書
登記事項証明書2026年7月31日法人番号提供書

納税証明書の省略は令和7年6月からの取扱いが令和8年版手引きへ反映されたものです。個人事業税について課税のない期間は同意書の対象外で、県のシステムで確認できなければ納税証明書を求められることがあります。

登記事項証明書の省略は、令和8年4月版手引きの公表後に始まった同年度内の変更です。4月改訂だけを確認すると、この7月31日開始の取扱いが抜けるため注意します。

法人成りの承継では何が変わりましたか?

令和8年版手引き164ページには、承継予定日まで許可要件が途切れていないことが新たに明記されました。経営を担う人と営業所の技術者は、承継予定日まで引き続き常勤している必要があります。

法人成りでは「会社を作る日」だけで決めません。会社設立登記、個人事業から法人への移行、社会保険、承継認可を別々に進めると、日付のずれが生じる可能性があります。

これは承継制度が令和8年に新設されたという意味ではありません。承継の審査で特に注意すべき連続性が、埼玉県の手引きに明記された変更です。

新規・更新・業種追加のどれに影響しますか?

  • 新規許可を申請する会社・個人経営経験、技術者の資格・学歴・実務経験、常勤性、社会保険の確認資料に影響します。
  • 業種追加をする許可業者追加する業種の技術者要件や実務経験を証明するとき、工事資料と入金資料の組合せを確認します。
  • 更新を迎える法人社会保険関係資料や登記事項証明書の添付省略を確認します。決算変更届等の提出状況も別に確認が必要です。
  • 法人成り・事業譲渡を予定している事業者承継予定日まで許可要件を維持し、登記日・社会保険の資格取得日・実際の事業移行日を一体で整理します。

そのほか、手引きのどこが変わりましたか?

建設工事に該当しない業務の例、登録基幹技能者講習の追加、決算変更届から工事実績を確認できない場合の追加資料、2026年1月1日施行の行政書士法改正に伴う注意書きなども加筆・修正されています。

「産業廃棄物の処理、土砂の撤去」は、建設工事に該当しない業務の例として掲載されました。廃材の運搬を考える場合は、建設業許可とは別に産業廃棄物収集運搬業の許可を確認してください。

手引きと最新の様式は、埼玉県の「建設業許可申請の手引き・様式集」で確認できます。

私なら、変更点より先に申請区分を確認します

司法書士・行政書士の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

私なら、手引きの変更点だけを見て必要書類を決めません。新規・更新・業種追加・承継のどれか、誰の経験や資格を使うのかを先に確認し、今回の変更がどこに影響するかを整理します。

この相談で一緒に整理できること

自社に影響する変更だけを、申請区分から確認します

  • 新規・更新・業種追加・承継のどれに当たるか確認する
  • 経営を担う人と営業所の技術者を整理する
  • 手元の工事資料と入金記録を、同じ工事ごとに対応させる
  • 令和8年版の変更が必要資料に影響する箇所を確認する

資料がまだ揃っていなくても、現在の状況から確認を始められます。

自社の建設業許可について相談する 埼玉県の建設業許可/新規・更新・業種追加・承継

関連Q&A

令和8年から、すべての原本が不要になったのですか?

いいえ。県が原本提示廃止を明示している対象と、現在も原本提出が案内される資料を分けて確認します。卒業証明書や官公署発行証明書まで一律にコピーでよいとは判断できません。

工事実績は契約書の写しだけで証明できますか?

一律にはできません。一式工事も専門工事も、工事内容を確認できる資料の写しと、その工事に対応する入金記録のある預金通帳の写しを組み合わせる整理です。

更新申請なら、今回の変更は関係ありませんか?

更新でも、常勤性や社会保険の資料、法人の登記事項証明書の添付省略などが関係します。許可後の変更届や決算変更届の提出状況も別に確認します。届出が抜けている場合は、決算変更届の未提出と許可更新の記事をご覧ください。

納税証明書と登記事項証明書は自動的に省略されますか?

自動ではありません。納税証明書には所定の同意書、登記事項証明書には法人番号提供書が必要です。県側で確認できない場合には、証明書を求められることがあります。